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執筆者の写真Hiroto Yamazaki

第6回「新時代のブランディング」日本のブランディング状況について

みなさん、こんにちは。

ブランド・コンサルタントの山崎です。


今回は

「日本のブランディング状況について」

お話しします。


日本のマーケティングはグローバルに比べて遅れている

というお話は聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、

ブランディングに関してはどうかと言うと、、、


こちらも残念ながらかなり遅れています。

それも根本から。


以前お話ししたカンヌライオンズの状況を見てみると明快なのですが

カンヌライオンズでは、ソーシャルグッドという概念が2010年あたりから出てきて、

2015年位には定着。今や定番となっており、


以降には、ソーシャルグッドの進化系として

2021年には、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)

2022年には、パーパス、サスティナビリティ

といったテーマがフォーカスされました。


更には、

P&Gのように、「パーパスのあるブランドはビジネスがスピーディに成長した」

といったビジネスにおける有効性を証明した事例も出てきました。


しかしながら日本では、カンヌで見られるような傾向はあまり見られませんし、

先日ご紹介した「ブランド動画10選」に対抗できるようなものも

ほぼ見当たりません。


では、日本のブランディング状況がどうなっているかというと


ブランディングを、「イメージ作り」「話題作り」

と捉えている印象が強い。


これは、TVCMでもよく見られる

「有名なタレントを起用」したり、

「フィクションの物語をシリーズで展開」したりしている類ですね。


これらを見ていて「非常に勿体ない」と思うのは、

その企業は、本当は

すごい事業を実施していたり、すごい価値を構築したりしているのに、

そのあたりは全く訴求していない、ということです。


また内容の展開も似たようなパターンが多く

上記のような「面白コンテンツ」パターン以外に

なぜか「みんなで踊る」とか「連呼する」といったパターンが目につきます。


面白コンテンツは、「好感度を上げる」

みんなで踊るは、「目にとめてもらう」

連呼するは、「音で記憶にとどめてもらう」


など、その目的はなんとなく想像がつきますが

伝える方法論が、非常に表面的であったり、小手先な印象を持ってしまいます。


なぜこのような方向なのかを洞察すると

それらの企業は、ブランディングを本来の「ブランド戦略起点」ではなく

「コミュニケーション戦略起点」で実施されている

という状況から来ていると思われます。


もっと分かりやすく言うと

「ブランディングを担当している部門の違い」

と言えそうです。


そして、その結果どういうことが起きているか?

CM好感度とブランドの各ランキングを対比すると

非常にわかりやすい結果が出ています。


まず下記は、


そして下記が


如何ですか?


有名だったり話題になったりするTVCMは

CM好感度ランキング等にはその効果が反映されていますが

肝心のブランド評価としては、

ブランド評価ランキングにおいて

CM好感度ランキングの上位6社は、100位以内にも入っていない

という状況です。


これらのTVCMは、その目的が「本来のブランディング=価値の訴求」以外の

上記のような「好感度」「目にとめてもらう」「記憶にどどめてもらう」

といったものにあるのかもしれませんが、

少なくともブランドの評価には反映していないのは確かです


この結果、みなさんはどう思われますか?


日本でも、SDGsやパーパスといったワードが注目されている印象はありますが

どうも本質を捉えていない、

極端に言うと「流行っているからやらないと」

という感覚なのでは?

とすら思ってしまいます。


それでは次回は、

グローバルと日本のブランディングを比較していくと、何がどう違うのか?


もう少し具体的に、かつ別の観点でもお話したいと思います。


次回もお楽しみに!!


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